福岡支部 2012年2月例会記録
福岡支部 2012年2月例会記録
期日:平成24年2月18日(土) 15:00〜17:30
会場:くまもと森都心プラザ図書館
http://stsplaza.jp/library/index.html
参加:15名(うち、オブザーバ6名)
内容:くまもと森都心プラザ図書館見学会
1.講演「battenn toshokann【ばってんとしょかん】」
館長 田中榮博氏
2.館内見学
3.意見交換 図書館コンシェルジュとの懇談
2011年10月1日にオープンしたくまもと森都心プラザ図書館の見学会を開催しました。田中榮博館長の講演内容と館内見学後の懇談内容を下記にまとめました。
基本コンセプト
「楽しく仕事したいね。」
- 関連書籍の紹介から新たなキーワードを発見できる。
- 図書館の建築スタイルから、電波の性質を利用したUHF帯ICタグを選択した。
- ICタグを活用し、棚にアンテナを設置し、ユーザが手に取った図書=棚から抜かれた図書がわかる仕組みを作った。
- タグの選択は、図書の管理のみではなく、タグ活用の将来展望が必要。
電子書籍の導入
- 導入にあたっては、著作権問題より不正コピーが心配だった。
- 電子書籍は、期限になれば自動でファイルが開かないので延滞なし=督促不要である。
- さらに、借りた人が画面上で自由に書き込みができることがある。
- 「書き込み可」な語学関係の問題集と子供向け英語絵本を導入した。
くまもと森都心プラザ図書館
接遇の重要性
- 利用者を「お客様」と呼ぶ
- 丁寧な接遇を重要視しており、カウンターからお客様に挨拶(おはようございます、いらっしゃいませ、ご利用ありがとうございました。またのおこしをお待ちしております)とお声かけをしている。
- 朝礼において、挨拶の唱和を徹底して行っている。
- 接遇は、大学図書館にも必要なことではないか。学生さんも挨拶されると気持ち良いはずである。
熊本市で初めての「滞在型、課題解決型」の図書館を志向
- 貸し出し至上主義からの脱却
- 千代田図書館でいうコンシェルジェは「チーフ・ガイド」と呼んでいる
レファレンスカウンターは置かない
- レファレンス方法の見直し。
- 全員がレファレンサーを目指す。一人で全分野のカバーは無理がある。
- 一人一人が得意分野を持つことで、全体で支える体制をとりたい。
- 月に一回の休館日に職員全員でレファレンス研修を実施している。なお、この日は全員出勤が原則。
広報紙
- 熊本市内のカフェや書店などに置いてもらえるように、職員が休日に交渉している。
- 手に取って、更に持ち帰ってもらえるよう、サイズはコンパクトにデザインにもこだわっている。
その他
- プラザは、紀伊國屋書店等、6社で運営している。
- 図書館と隣接するビジネス支援センターは、専門家を配置し、ビジネス支援を行っている。
- 図書館員では、本格的なビジネス支援は無理がある。
- 滞在型図書館のため、蓋つきの飲み物は許可した。(食事は不許可)
大学図書館・司書に対して
図書館、学生センター、病院など、お客様と直接対峙するカウンターを持つ部署は重要である。
司書過程を持つ大学は指定管理者として図書館を『経営』することが可能である。
- その先には、学生のインターンシップや卒業生の就職先を確保がある。
- これからの図書館は、「運営」ではなく「経営」感覚が必須
大学図書館に必要なものは、数値目標
- 「入館者数を30%増やす」など、目標を数値化して可視化することで、目標の達成度がはっきりする。
職員の育成
- 職員に「知恵を出させる」ことが管理職の仕事。
- 管理職は新しい仕事創出する。そのうち忙しい中から仕事に向き合う「知恵」が生まれる。
くまもと森都心プラザ図書館の皆様、お忙しい中ご対応いただき、ありがとうございました。