日時:平成24年12月1日(土) 14:00〜17:00
会場:広島経済大学宮島セミナーハウス「成風館」
テーマ:図書館経営について
参加人数:22名
1.講演「学術情報の創造活動を支える大学図書館の経営」
甲斐 重武氏(広島大学図書館 副図書館長)
2.パネルディスカッション テーマ「大学図書館の管理・運営」
パネリスト:
甲斐 重武氏(広島大学図書館 副図書館長)
西村 泰成氏(長崎総合科学大学管財情報課 情報科学センター班)
矢崎 美香氏(九州女子大学・九州女子短期大学附属図書館)
司 会:
西川 英治氏(広島経済大学図書館)
<懇親会の部> 17:30 〜19:30
会場:割烹旅館「山一別館」
<提案企画の部> 21:00〜
会場:広島経済大学宮島セミナーハウス「成風館」
内容:「図書館を語りつくそう」
*************************
1.講演「学術情報の創造活動を支える大学図書館の経営」
・大学図書館の概念(概念図あり)
必要な資料を利用者に渡す為に活動している。
「中」の利用者と「外」の利用者がいる。
学外だけでは無く、学内で生産された資料も収集、整理、保存、提供の対象となる。
大学の図書館もクリエイティブな活動を行なっている。
・専門性は?
利用者が必要な資料のなかでも、優れた資料を入れる。
他機関でよいことをやっているのならば、自分のところにも取り込む。
先生、学生、授業による図書館の利用の仕方が変わったのならば、
提供の仕方も変えていく。
・資料・利用・大学・社会が変わる
「10年後、20年後はこう変わるかもしれない」というセンスを持つ事が大事
・日本の大学図書館が追及してきたもの
過去30年間:機械化、システム化、電子化、ネットワーク化、グローバル化
研究支援:学術情報のアクセス、発信 EJ・DB、機関リポジトリ
教育支援:学術情報の利用環境 資料と空間、部分的に授業支援
→日本の大学は、過去30年間教育をやってこなかった。
これからは、「教育支援」に力を入れることが必要ではないか。
・変わる・かえる=経営
「管理」「運営」と経営は違う。
「うちの図書館はこうする」という目的を持って進む。
・大学図書館の教育学習支援の強化
大学の教育:「学習」から「学修」へ。
大学の図書館は、能動的に使える。
全ての大学図書館に共通する課題
→教員が真に図書館を必要とするか。
(一部の教員だけでなく、ほぼ全ての教員が)
・電子時代の書き方を支援
広島大学では、図書館に電子書籍出版システム(Espressso Book Machien)を導入。
(http://www.lib.hiroshima-u.ac.jp/ebm/)
H25年度ライティング・センターの設立にむけて、準備中
・データに基づく図書館経営
1週間に1回データを出す。
→「なぜ去年より・・・」「なぜ1週間前より・・・」の「なぜ」を早く見つけて
早く対応する。外には出さず、中で対応する。
データ加工には、データ処理用ユーティリティDを使用。
・大学図書館の問題を研究する?
標準的な問題と、個性的な問題。標準的な解決と、個性的な解決がある。
図書館で一生懸命やっても、大学に見えない。
・大学の問題を図書館が研究する?
大学に共通する課題なら、標準的な大学図書館としての解決を。
→よい方法を真似してしまう。
他がやっていないことを強調して、そこに力を入れる。・・・ことが
できるような余裕をつくる。
・大学図書館経営語録
1.手段が目的化していない?
2. 説明資料 1枚ベスト 2枚ベター 3枚リミット
3.評価はアニュアル 経営はデイリー
4.アウトソーシング でもその前にインソーシング
5.大学図書館では 学ぶ姿を見る事ができ 見せる事ができる
6.大学は自立できる人間を社会に輩出し
大学図書館は情報で自立できる人間を社会に輩出するのを支援
7.図書館は機能。施設は機能を実現するために最も有効な手段
8.図書館での所蔵は、アクセスするため最も安定した手段のひとつ
9.本の所蔵は、情報伝達の理想に近づくための手段
10.情報伝達の理想は、ダイレクト・コミュニケーション
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
2.パネルディスカッション テーマ「大学図書館の管理・運営」
●クリエイティブな活動を行なう。
・大学図書館でクリエイティブな活動を行なう。
・発想を出す。→何から着手するかを考える。
・大学でクリエイティブな活動を行なう。←それを図書館が支える
●図書館だけではなく、大学全体の管理運営に視野を広げる
・図書館の位置づけは、中からと外からとで、見方が違う。
・図書館は、他部署との連携がやりやすいのではないか。
・私立大では、図書館の状況は厳しい。
・図書館はお金を生み出しにくい。
→お金以外で成果を出す。(貸出冊数、利用者数、人のスキルアップ)
図書館の外部からの補助事業が結構ある。
●図書館の活動を外にアピールする
・大学図書館が日々うまくやっていることを、事ある毎に上に伝える。
●大学図書館の教育支援の強化
・教育活動においては、先生や学生と話をして、「それは誰もやっていないかも」 というようなことを形にする。
・教育の土壌を作る。
→先生がそれを「良い」と思う。
→共有できるものは、各大学で共有する。
・教育は教員。→そこに、図書館(職員)が入っていけないか。
・学生の個性に合わせたレファレンスを。
●大学図書館間の連携
・1つの大学でやるのが難しいと思う。みんなで一緒にやっていけないか。
・私立大では、職場で教えてもらえない現状がある。→横の連携でカバー
●データ分析が経営につながる。
●その他
・図書館の役割を考える時に、まずは自分の役割を考える。
・フロア(カウンターの外)に出る事は、効果大だと思う。
・電子化が進んでも、ゼロにはならない。ただ、その機能は少なくなる。
→NACSIS−CATが出てきても、カタロガーの仕事は少なくなったが、
メタデータを作るという仕事はなくならない。