大学図書館研究会 九州地域グループ ブログ

大図研 九州地域グループの活動を紹介しています。

2011年5月例会 「デザインを学ぶ」 記録  (前半)

各人が図書館で実際に使った本のPOPやポスターを持ちより、
賑やかな雰囲気の中で例会を開催することができました。



それでは、記録をお送りします。

日時:2011年5月28日(土)15時 〜 17時30分
講師:有限会社armoni 代表取締役 小林 茂美
   http://www.armoni.co.jp/top.html
参加者:会員 13名 オブザーバー参加 3名

会場:西南学院大学 コミュニティーセンター 2階会議室

内容:(前半)デザインについて
1.DESIGN
「正解はない」というけれど、答えは必ずある。それを探すのがデザイン。
身近にある材料を常に意識しておくことが大事。
      
2.自分が右脳タイプか左脳タイプかを認識してみよう。

自然に腕を組んで右手が上の方は左脳タイプ、左手が上の方は右脳タイプ。右脳は芸術性、創造性、直感、イメージ等に使用されており、左脳は論理的思考、言語認識、計算処理などに使用されている。


本を選ぶ場合にも、右脳タイプは表紙やタイトル、キャッチコピーの直感で選ぶ傾向が強く、左脳タイプは内容や必要性で選ぶ傾向が強い。例えば、本のPOPを作る場合でも右脳タイプの方はキャッチコピー等を全面に出してみたり、左脳タイプの方は内容
の魅力を伝える文章を書くことから初めてみてはどうか。


作ったものは、必ず反対側の意識でチェックすることが大事。感覚で構築したものは理論で、理論で生み出したものは感覚で捉えなおしてみる。


3.読む欲求は
目を引く工夫 
(例)新幹線の電光ニュース → ちょうどいい位置に短いセンテンスの光が"動いている"。


気を引く工夫 (例)飛行機の発着を知らせる掲示板 → パタパタという音に自然と掲示板へ目が向く。
     

4.説明を置く位置
本の隣にPOPを置く場合、右側に置いた方が読みやすい。美術館の絵画のキャプションも多くの場合右側にある。


5.発想のしくみ
多少のウソでも、「○○さんお勧め」といったコピーをつける手法は有効。
人は情報量の80%は視覚から取得する。逆に、それ以外の感覚に訴えかけてくる手法も有効。音をならす、つい触ってみたい素材で作ってみる。美味しそうな写真を出す、など。


6.モノを正面からだけで見ない。
福田繁雄氏(1932-2009)のデザインが参考となる。本も出ているので興味のある方は参考にして欲しい。


7.練習問題
半分水が入ったコップの絵に、何かを書き加えて別の価値を生み出す
(講師回答例)「女性アイドル○○さんの飲みかけ」とPOPをつけてみる。
       「中に小さな人を入れることで、量を増やしてみる」

      
8.デザインは対比が基本
白と黒、大と小、太いと細いを使いこなす。
心にささるメッセージ。→真実は読む人の心におのずとしみわたるもの。
「人を最も感動せしむるものは、その心胸より出たる言葉なり。」ゲーテ

(例)Heart Line Project 万年筆ベストコーディネート賞
   2005年 メッセージ部門 最優秀賞
   http://www.heartline.jp/index.html
   「近くのスーパーでも買えるものが、ずーっと遠くの母から届きました。」
          → このメッセージに皆さんなら何のイラストを添えますか?
   
9.参考
(1)ヴィレッジヴァンガードのPOPはコピーがユニークで勢いがある。文字の強弱や大小などバランスがよい。
(2)イラストレーター PAPAかおりさん(http://papa365.sunnyday.jp)
   イラストと手書き文字のバランスがとても参考になります。         
(3)小林社長が持参したPOP


表紙のタイトルをカラーコピーして活用。

桜の花は、ゆらゆら揺れます。動くものは、人の目を引きつけます。