大学図書館研究会 九州地域グループ ブログ

大図研 九州地域グループの活動を紹介しています。

福岡支部 2014年11/12月例会記録

11/12月例会では、全国大会参加報告と海外図書館等視察報告の二本立てで行いました。

日時:12月6日(土)14時〜17時
会場:佐賀大学附属図書館 本館4階会議室(本庄キャンパス)
参加人数:11名+オブザーバー2名

内容:
【第一部】全国大会参加報告(14時〜15時30分)
    報告者:永安樹氏(佐賀大学
        西薗由依氏(鹿児島大学

【第二部】海外図書館等視察報告(15時30分〜17時)
    視察先 :シカゴ、ボストン、ニューヨーク、ソウル
    視察機関:2014年8月1日 〜 9月20日
    報告者:山下大輔氏(西南学院大学



昨夏、山形で開催された全国大会参加報告が行われました。
参加者は2名で、会員総会、研究発表、分科会(学生協働、図書館システム)についての報告がありました。


○第4分科会(学生協働)
まず、東北大学附属図書館「留学生コンシェルジュ」の活動についての事例発表。
ラーニングコモンズ設置に合わせて、学修支援を目的に留学生コンシェルジュを配置。留学生5名による図書館利用・学習相談を、日本語、英語、中国語、韓国語、インドネシア語タイ語で行っている。内容は、利用者支援、イベント企画・講習会、留学生向け図書コーナー資料の充実・利用促進など。利点・効果として、多言語での案内ができる、学生の視点や留学生の視点がわかる、他部署とのつながりができる等、一方課題として、予算の確保、自主的な企画につなげるには等があげられた。
事例発表後、参加者全員でワークショップが行われた。

Tohoku University Library Concierge Service for Int'l Student(留学生コンシェルジュ)facebook
https://www.facebook.com/tohokuunivlib


○第7分科会(図書館システム)

図書館データのLinked Open Data(以下、LOD)化をテーマとして、2部構成で開催された。第1部では、国立情報学研究所の大向一輝氏から「図書館とLinked Open Data」と題して、LODの基礎的な概念や事項について講義が行われた。詳細はスライド参照。

大向先生講義スライド
「図書館とLinked Open Data」(SlideShare
http://www.slideshare.net/ikki.ohmukai/linked-open-data-38318169

大学図書館問題研究会 第45回全国大会(山形)
https://sites.google.com/site/dtk2014yamagata/



続いて、海外図書館等視察報告です。
1ヶ月半強に渡り、アメリ東海岸(シカゴ、ボストン、ニューヨーク、ワシントンD.C.、コロンバス)と韓国(ソウル、インチョン)の大学図書館や企業などを視察されたお話がありました。

主な事例紹介は次のとおりです。

(1)University of Chicago
世界有数の研究成果を基盤としたサービス展開
世界最大規模の自動書庫とそれを支える運営展開


(2)Simmons College
図書館情報学大学院を活用したコンパクトで効率的なフロア展開
学生スタッフを活用したサポート展開


(3)New York University
巨大な吹き抜け構造を利用した見える構造
市街地キャンパスで多数の学生を活用するサービス展開
常に需要を満たすリノベーション構想


(4)Yale University
豊富な貴重書を活用した、広告塔としての貴重書図書館


(5)Learning Commons
 各大学規模、状況に合わせた施設展開 


(6)その他米国関係
図書館界及び周辺業界の動向について
世界をリードする検索サービス


(7)韓国松島グローバルアイランド
 世界の有数大学を誘致してグローバル化することの困難さ


学習環境が変化し図書館は滞在型になっていることや、現地の学生の図書館での過ごし方、職員の勤務体制など・・・アメリ図書館界の最新動向はもちろん、実際現地へ訪れなければ感じられないリアルな話も多く、とても興味深く面白い話ばかりでした。
報告後の質疑応答の時間もいろいろな質問がでて、大変勉強になる時間でした。


発表者の方、参加された皆さま、お疲れさまでした!