大学図書館研究会 九州地域グループ ブログ

大図研 九州地域グループの活動を紹介しています。

大図研福岡支部 2012年11月例会記録「リポジトリについて」

  • 日 時:2012年11月10日(土) 15:00〜17:00
  • 会 場: 熊本学園大学図書館4階会議室
  • 参加者:14名(会員10名+オブザーバー4名)
  • 内 容:リポジトリについて

 1. JAIRO Cloudでの機関リポジトリ構築
   発表者:廣松(熊本学園大学
 2. DRFのWG活動紹介と鹿児島県学術共同リポジトリKARNについて
   発表者:西薗(鹿児島大学
Cf. 例会案内記事

1. JAIRO Cloudでの機関リポジトリ構築

熊本学園大学で機関リポジトリ導入の検討を始めたのはここ1,2年。
自前でシステム構築することや、業者提供のクラウドシステムも検討したが、システム管理のための人材や費用面で維持が難しいと悩んでいた。
NII JAIRO Cloud立上げの話が入り、導入を決めた。

*JAIRO Cloud  https://community.repo.nii.ac.jp/
*マニュアル  https://community.repo.nii.ac.jp/document/

  • 実際に運用してみての感想は、『簡単!』とまでは言わないが、専門知識がなくても問題なく運用できる。

 設定等でわからないことがあればコミュニティ(https://community.repo.nii.ac.jp/community/)で質問できる。

 コミュニティは誰でも閲覧できるので導入前の参考にすると良い。

  • 申請から1年以内に公開しなければならない為、「とりあえず申請」ではなく、公開スケジュールを決めてから申請した方が良い。
  • キャパシティは200機関分で、現在約70機関からの申込がある。
  • ELSに既にコンテンツ登録している場合は、ELSから一括出力し、専用ソフトを利用して一括登録できる。

(ただし、一括登録作業でつまづく機関も多く、コミュニティによく質問が出ている。)

 公開後はハーベスト申請しなければならないが、これについてもコミュニティの過去質問を参考に進めようと思っている。
 ハーベスト申請については月刊DRF第19号も参考になる。

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Q. ファイルのバックアップはどうなっているか?
A. NIIで定期的にデータのバックアップを行う「予定」となっているが、各機関でコンテンツ保管の必要あり。
Q.現在でもNIIの学術コンテンツ登録システム(http://www.nii.ac.jp/nels/)で論文本文データの登録がでる。リポジトリにするメリットは?
A.自大学仕様のものが作れる。CiNiiになじまない紀要以外のコンテンツ、例えば講義の教材等も登録できる。
Q.カバーページはつくのか?
A.ex.神戸松蔭女子大学 KARASHI-DANE https://shoin.repo.nii.ac.jp/


2. DRFのWG活動紹介と鹿児島県学術共同リポジトリKARNについて

1) 鹿児島県学術共同リポジトリKARN

  • 西薗さん発表資料

 http://www.slideshare.net/YuiNishizono/20121110-dtk-fkarn

 「鹿児島県」の知的データベースとして地域貢献できる。
 参加館のコミュニティの絆の深まり。
 他の図書館業務にもプラス。
 自分達仕様のリポジトリが構築できる。

 (講演会(平成23年11月29日開催)の動画、レジュメは鹿児島大学リポジトリに登録している。http://hdl.handle.net/10232/12098

  • 維持費は年間25万円で各機関の教員数で按分。リプレースの際の積立はしていない。

 (他県の地域リポジトリで積立をしている事例あり。)

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Q.鹿児島大学にはリポジトリがあるが、KARNの方はデータ入力せず、世話役だけ?
A.メタデータは登録している。
Q.ハーベストは自動的に行われているのか?
A.月に1回のペースで。頻度は希望により変えられる。



2) DRFのWG活動紹介

  • DRF(Digital Repository Federation/ダーフ)は日本における最大のリポジトリコミュニティ。

  http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drf/

  • 「大学、研究機関における、機関リポジトリを通じた学術成果の蓄積と内外への発信のための情報共有を促進し、これを後援することを目的とする」(要項第2章第3条(目的)より)
  • 運営体制は運営委員会、企画WG。

 企画WGの下に集会WG、国際連携WG、技術サポートWG、広報WGがある。

  • 西薗さんは国際連携と広報WGで活動している。
  • 国際連携WGは国際連携の推進と海外事例の情報収集を行う。
  • 国際連携WGの下には翻訳部隊があり、海外の情報を収集し翻訳して国内へ情報提供、国内の情報を英訳して海外へ情報発信、という活動をしている。

 WGメンバーの他に有志の方々も一緒に活動している。

  • 広報WGは月刊DRFの編集・発行、広報グッズの企画・作成を行う。
  • 2012.6 国大図協総会での掲示ポスターより

 「企画力を磨く!」
 「国際感覚を磨く!」
 「発信力を磨く!」
 「IT技能を磨く!」
 一緒に活動しませんか?いきなりWGは・・・という方は翻訳部隊から!


Cf. DRF9@図書館総合展
2012/11/21 Wed. @パシフィコ横浜
第9回DRFワークショップ「学術雑誌の変貌:フィンチレポート、新BOAIイニシャチブ、英国最新事情」

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Q.参加機関144は大学以外も含まれる?
A.大学以外の機関もあり。
 また、リポジトリを構築している大学が全て入っているわけではない。
 メーリングリストは誰でも入れる。