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・日時:平成25年1月26日(土)15:00 〜 16:30
・会場:福岡共同公文書館
http://kobunsyokan.pref.fukuoka.lg.jp/
・参加人数:14名(うちオブザーバー参加3名)
・内容:福岡共同公文書館 見学会
I.概要説明
II.施設見学
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I.概要説明
館内を見学する前に、「福岡共同公文書館について」と題して、職員の方より概要をご説明いただいた。
1.公文書館とは
・史料、記録史料、資料、古文書、文書等、これら記録・文書を保存し公開する施設である。
・現在、全国61箇所にしか設置されておらず、図書館と比較してもその数は格段に少ない。
→ そのため、公文書館に対する認知度は全国的に低い。
・公文書館の担う役割は主に次の三つである。
i. 保存、ii. 一般の利用に供する、iii. 管理・保存・利用に関する調査研究
・公文書管理法が示す文書フロー
i. 作成 … 各自治体が議事録等、必要文書を作成する。
ii. 整理 … i. にて作成した文書の必要保存期間を定める。(一次選別)
iii. 保存 … ii. により定められた期間、保存する。
iv. 移管・廃棄 … 必要保存期間を過ぎた文書が、各自治体から公文書館へ移管される。
資料の内容を確認の上、公文書館にて保存または廃棄する。(二次選別)
2.福岡共同公文書館とは
・2012年11月18日、開館。
・福岡県と県内60市町村のうち58市町村が共同で公文書館を設置、運営。(全国初)
※既に公文書館を持っている福岡市(福岡市総合図書館文書資料部門)と北九州市(北九州市立文書館)は除く。→目録の共有等、横の連携については今後、検討してゆく。
・公文書館の移管から配架までの流れ
i. 搬入 … 各自治体より移管されてくる
ii. 選別 … 一つ一つ中を見て、データ作成。選別会議を開く。選別会議のメンバーは、館長・正規職員(6名)・非常勤専門員を中心に、その日出勤しているスタッフ全員。
iii. 登録 … 選別会議にて保存が決定した文書のみ登録。
iv. くん蒸 … 殺虫、殺カビをおこなう。(くん蒸は外部へ委託)
v. 配架 … 閲覧室および文書保存庫にて保存。
II.施設見学
1階の展示室、閲覧室から順に、荷解室→選別室→整理室→製本補修室→文書保存庫→マイクロフィルム撮影室と、実際に移管されてきた史料の受入れ手順に沿って、施設内を案内していただいた。
県が所有している土地の中で将来的に増築が可能で、気象条件を含め環境が良く、アクセスのいい土地として現在地を選んだという敷地は広く、今後30年の利用を見込んで設置したという保存庫はまだ開館3カ月ということもあって、全体の1割にも満たない稼働率であった。まだガラガラの書架をうらやましく眺めたが、しかし、現在各自治体から運び込まれてきている未整理の史料を見た時、「想定どおり30年耐えうるだろうか…」との思いが参加者全員の胸によぎった。
また、図書館同様、公文書館においても専門職員の問題は大きいようであった。現在、福岡共同公文書館では、福岡県と市町村の正規職員が共同で業務にあたっているが、正規のアーキビストは配置されていないということであった。また、県・市町村の職員も3年を目安に異動になるとのこと。その中で専門性を身につけ、公文書館として常に一定のクオリティを維持していくというのはなかなか難しいのではないかと感じさせられた。
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*こちらもご参照ください:
・福岡共同公文書館に行ってきました!(努力の上に花が咲く(しぶろぐ))
・大図研福岡支部1月例会「福岡共同公文書館見学会」 - Togetter